予防・歯周病

歯周病

進行した歯周病は元通りには治りません。
早期治療とメンテナンスが大切です。

歯周病とは、プラーク(歯垢)の中にいる歯周病菌が、歯肉に炎症を起こし、徐々に周りの組織を破壊していく病気です。痛みなどの自覚症状がないままに進行することが多いので、サイレント・ディジーズ(静かなる病気)と呼ばれています。症状が進むと、歯を支える骨を溶かし、やがて歯がぐらぐらになって、抜けてしまいます。

歯周病の進行状態

初期

歯石が付き始め、歯肉に炎症が起こる状態。自覚症状は無いことが多いですが、歯ブラシの時に、歯肉から血が出たり、時々歯肉が腫れぼったく感じたりすることがあります。スケーリング(歯石を取る治療)を行い、ブラッシングをしっかり行うことで改善します。

矢印

中期

初期よりも、歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)の深いところに歯石が付き、歯を支える骨をはじめとした、周囲の組織が壊れている状態。水がしみたり、歯ブラシの時に血が出ます。
歯肉が腫れたり治ったりを繰り返し、膿が出る事もあります。口臭がきつくなります。
スケーリングと、ルートプレーニング(歯肉の深部で、歯の根に付いた歯石を取り、さらに根の表面をきれいにする治療)を行います。場合によっては、フラップ手術(歯肉を切開して、深部の歯石を取る手術)を行います。

矢印

末期

歯の根っこの先の方まで歯石が付き、歯を支える骨が3分の2以上溶けてしまっている状態。歯がぐらつき、物がよく噛めなくなります。歯肉を指で押すと、膿が出ます。口臭がひどくなります。ほとんどの場合、抜歯になります。

こんな方は要注意

歯周病には、喫煙、ストレス、不規則な食事などが関係しています。歯周病は、生活習慣病の一つなのです。
心当たりのある方は歯周病に要注意です。

喫煙:喫煙すると、歯肉の血流量が低下します。また、たばこの中に含まれる有害物質が口の粘膜から吸収され、歯周病のリスクを高めます。
ストレス:ストレスがかかると、唾液の分泌が低下したり、体の免疫力が低下し、歯周病にかかり易くなります。

不規則な食事:口の中に細菌の餌となる糖が停滞し、プラークの形成を助長することになります。また、早食いすると唾液が十分に出ず、自浄作用が低下します。

予防歯科

天然の歯に勝るものはありません。
そのためには、予防歯科が大切です。

当院だから出来る予防歯科

日本人の一人当たりのむし歯保有数を、12歳児においてむし歯の先進国(フィンランド)と比較すると、約4倍になっています。この差は予防歯科が根付いているかいないかの差の表れだと思います。
これは歯が大切で、子供のころの予防がいかに重要かということを認識できているかどうかにかかっています。

歯医者は、痛くなってから行くところ、という認識がまだまだ根強いと思いますが、予防に勝る治療はありません。ご自分の天然の歯が一番です。

当院では、予防に特に力をいれております。歯科医師をはじめ、専門の衛生士が治療にあたります。その方に適したブラッシング指導、お口のクリーニング、生活習慣についてのお話などを行っていきます。また、お子様をはじめ、大人の方も、フッ素塗布を無料で行っております。

PMTC

毎日、隅々まで磨いているつもりでも、どうしても歯ブラシの届きにくい所 に汚れはたまってしまいます。

歯に付着した細菌は、EPSというネバネバした糖の一種を分泌します。 EPSはバリアーの役割を果たし、歯に頑固にくっついて、内部の細菌を守ります。これをバイオフィルムといいます。家庭のお風呂のパイプや下水管の内側に見られるヌルヌルは、身近なバイオフィルムの例です。

バイオフィルムは、表面にくっつく性質が強く、簡単にははがれませんので、歯ブラシで落とすことが困難です。また、うがい薬などの抗菌性の薬も通しません。

これは、歯医者の専門の器械でクリーニングすることによって除去できます。これをPMTCといいます。

PMTCを受けると、口の中がすっきりし、汚れも付着しづらくなります。習慣になると、受けないことが気持ち悪くて、今まで受けていなかった事が信じられない、という方もいるほどです。

スケーリング

歯に付着した歯石を、器械を使って除去することをスケーリングといいます。
超音波を使った器械を使用して除去したり、スケーラーという器具を使って手作業で除去します。

歯周病の原因となる歯石を除去することは大変重要です。

歯周病は、一度悪くなってしまうと、簡単には治りません。
さらに、歯を支えている骨が溶けてしまうと、元に戻すことはできないので、歯が揺れ始めた時には手遅れで、抜歯になることが本当によくあるのです。

歯周病に関して、最も重要なことは歯周病にならないように予防することです。もし、歯周病にかかってしまっていたら、定期的に治療を受け、進行を抑制することが肝要です。

ブラッシング指導

むし歯予防、歯周病治療の第一歩は、適切なブラッシングです。お口のトラブルを引き起こすプラーク(歯垢)は毎日ものすごいスピードで増殖していきます。
プラークを放置すると、唾液に含まれるリン酸カルシウムが取り込まれ、数日で石灰化していきます。これが歯石です。
毎日の歯磨きをしっかりと行い、プラークを減らしてコントロールすることが重要です。
すみずみまで磨いているつもりでも、どうしても歯ブラシが届きにくい部位、歯並びなどによって、磨き残しは見られるものです。
ご自身のブラッシングを改めて見直していただけたらと思います。

代表的なブラッシング法

スクラッビング法

歯の面に毛先を垂直に当てて、小刻みに動かします。
奥歯の裏側やかみ合わせの面も、毛先を直角にあてて小刻みに磨きましょう。

バス法

歯と歯肉の境目に45度の角度で毛先をあてて、歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)に毛先を入れるようなイメージで、小刻みに歯ブラシを動かします

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